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万人の知恵CHANNEL【第14回】人生大半は仕事 〜あなたは笑って働きますか?〜

インタビュアー:万代宝書房代表 釣部 人裕氏

ゲスト:アーティスティックコミュニティ代表 工藤 直彦氏

収録:2019年9月13日

ご褒美って、何のために必要か?

釣部:はい。皆さんこんばんは。万代宝書房『万人の知恵チャンネル』の時間になりました。今日はメインゲストに工藤直彦さんに来ていただいております。よろしくお願いいたします。

工藤:はい。よろしくお願いします。

釣部:あと、ギャラリーの方、たくさん来ていただいております。ありがとうございます。では、工藤さん簡単な自己紹介をお願いします。

工藤:音楽事務所をやりながら、哲学の塾をやってます工藤と申します。よろしくお願いします。

釣部:よろしくお願いいたします。今日二本目で、今日のテーマですけども、よくね、フェイスブックなど見ていると、何かを成し遂げたからとか、仕事が終わった自分へのご褒美です!って、お食事に行ったとか、旅行に行ったとかいうのありますよね。

工藤:何か買っちゃったとか。

釣部:はい。そういうのがありますよね。

工藤:ありますね。

釣部:僕ね、そういうのあんまり、ないんですよ。あるとして、居酒屋行ってビールを飲んだとか、ちょっと普段より贅沢な一品とかっていうレベルで、ご褒美みたいのはあるんですけど、ご褒美で旅行行くかとか、行くのは楽しく行けばいいんじゃないみたいなふうに思うんですけれども。働き方改革とかも言われていますけども、なんか変だなと思いながら、いつもフェイスブック見ていて、「随分ご褒美いるんだな?みんな」とかって思うんですけど、その辺は(純粋)倫理的にというか、工藤さん的には?

工藤そもそもご褒美って何のために必要かですよね。例えば、小っちゃい子にね、じゃあ、ピーマンとかニンジンが食べられない子がいたとしますよね。で、「何とかくん」って言ってね、「ピーマンとかニンジン、体に良いんだからね、大きくなろうね」って言ってね、「食べようよ」って親に言われてね、「ヤダ!きらい!」って言って、「頑張って食べて」って「食べてくれたらね、食後にプリン用意してあるから…」ってご褒美って。これがご褒美のほんとの意味だと思うんですよ。ってことは手前にあることが嫌なものという前提じゃないと、ご褒美って成り立たないですよね。

釣部:好きなことやってご褒美。あんまりないですね。

工藤:っていうかお腹いっぱいですよね。プリン2回食べてもねみたいな。ごめんなさい。プリンで合っているかどうかわかんないけども…。だから、自分に対するご褒美ってことは、手前にあることを否定しているからご褒美になると思うんですよ。で、例えば、仕事ここまでやったら、じゃあ、自分に対するご褒美とかね、っていうとその仕事嫌いだって言っているってことでしょ。

釣部:そうですね。嫌なことを一生懸命頑張った。

工藤:そうでしょ。

釣部:なので、ご褒美あげるよっていうことですよね。

工藤:だから、そのやっている仕事が好きで好きでたまらなくって、俺この仕事好きなんだよねって、お客さまにも喜んでいただける、しかも自分も収入も取れるね、大事な家族もこれで守ってあげられて、俺って幸せだなあって思ってる人ってご褒美いらないでしょ。

もうその仕事さしてもらえるだけでお腹いっぱいでしょ。なんか変ですよね。だから、ご褒美ってなんでいるのかなっていう。だったら、ご褒美求めなきゃいけないような嫌いなこと最初っからやんなきゃいいじゃんって。いやそんなこと言ったって飯食ってかなきゃいけないからって、その程度のことで世間に役立っているわけないじゃない。

釣部:逆に言うとね。

工藤:そう。嫌々ながらやっているようなことで、例えば、飲食店なんかでね、お客さまのお世話するのが大っ嫌いな人が、食事運んできておいしくいただけます? お客さんにおいしいもの食べてもらおうと思ってない料理人が作る料理なんて食べられないでしょ。例えば、料理屋でもそうでしょ。

全ての仕事全部そうでしょ。この仕事、僕好きだってね、この仕事を通して世間さんに喜んでもらえるんだって言ってね、おまけにお金までもらえるって、ああ幸せだなって思って喜んで働く人しか、申し訳ないけど世の中どんどん二極化してって、世知辛くなってってるので、たぶん成り立たない人が多いんじゃないかなと思います。

自分に対するご褒美出してるような人。僕ご褒美なんて要らない要らないって…。もう毎日楽しくってしょうがないんでいらないっす、そういうものって。旅行? 嫌です嫌ですって。その時間あったらお客さんと付き合っていたいです。お客さんのためになることしたいですとかね。

例えば、車買っちゃおうとかね、じゃあ、新社屋立てちゃおうとか、そんなお金あったら違う事業でお客さんにもっと役に立てることにお金使いたいですって。そっちのほうが僕、嬉しいからって。そうならないような人と付き合いたいですか? 世間の人は。嫌々ながらやっているんですよ。

自分がお客さんの立場だとしたら、自分と付き合ってるのやだって言っているんですよ、ご褒美を自分に与えている人。

釣部:そうですね。

工藤:そんな人から物買いたくないし、サービス受けたくないでしょ。だから、自分に対するご褒美っていうのは、やめといたほうがよろしいんじゃないかな

って。根っこが間違ってますよって、私は思いますね。今、フェイスブックとかインスタグラムとかで、自分に対するご褒美アップしてる人、すごく多いじゃないですか。

なんかよっぽど嫌なこと乗り越えたのかなって。おいしそうな食事よりも、その裏っ側にあるほうを気になっちゃって。どんな大変なことがあったんだろうって…。

釣部:例えば、まあ、一生懸命頑張ったとして、じゃあ、ちょっと一杯飲もうというのは、別にご褒美という概念ではない?

工藤:それはただの打ち上げとかね。「今日は働いたね」って、「汗かいたね」って、「こういうときのビールうまいよね。ちょっと帰りひっかけてく?」っていうの、別におかしくないじゃないですか。ご褒美ってほどじゃないでしょ。ね? 別にそんなの高級なレストラン行かなくってもね、そこら辺の安い立ち飲み屋さんでも十分おいしいですよ。一日にね、朝から晩まで額に汗して身を粉にして働いたら、一緒に働いた仲間と飲むお酒だったら、安いお酒でもおいしいじゃないですか。いいんじゃないですか、それでって思いますよね。

釣部:逆にご褒美のためにつらい仕事頑張るっていう方も…。

工藤:いらっしゃいますよ。

釣部:いますよね。

工藤:います。いっぱいいると思います。

現在の働き方改革の方向はどう?

釣部:夏休み旅行行きたいがために残りの時間を頑張るとか…。それなくなったらばどうするんでしょうね?

工藤:いや、だから間違っていると思いますよ。根本的に間違っていると思いますよ。やっぱり、喜んで働くというのは、ものすごく大事。あんまり政治のことは、言わないほうがいいのかもしんないけど、働き方改革って今あるじゃないですか。

我々、中小・零細からすると、もう人を雇用するなと言われているような気がしちゃうぐらいの仕組みですよ。わかりますよ、ブラック企業っていうのがあってね、長時間過重労働で身体壊しちゃう社員さんとか、精神が病んじゃう方がいるって…。それはだめですよ。そんなのだめに決まってるじゃないですか。

だからといって、なんか見ていると、もちろん働き方改革の中には多様性を認めるとかね、面白いこといっぱい言っているんですよ。良いことも言っているなと思うんだけれども、とはいえ、なんか根っこにね、みんな働くことってやだよねって、働くのつらいよねって。

ね? だからそれは政府で法案つくって、働く時間ちょっと減らしてあげるから、この法案良いでしょて言ってるように僕は聞こえるんですよ。あの働き方改革。それって働くことが嫌だよねって前提でつくられてるでしょ。その前提僕、違うと思うんですよ。

働くこと楽しいよね。働くことによって自己実現できる。充実感が味わえる。達成感が味わえる。お金ももらえる。それで家族のいる人は大切な家族を守ってあげることができる。子どもがいる人だったら、子どもの夢叶えてあげることができる、そのお金で。素晴らしいことばっかりじゃないですか。

時短ですか。時間短くしたらこれでいいんですか? 違いますよね。喜んで働く人を増やすという国策をとらなかったら、この日本って近い将来なくなっちゃうんじゃないかなって、私本気で憂いているんですけど。なんか違いますかね?

釣部:いや、そうですね。

工藤:喜んで働く人を増やすという国策をとらないでどうするの!。私政治やる気ないですけれども。でも、そんなこと言っている政治家見たことがない。

釣部:僕今、例えば原稿を書く時間、「8時間以内で休め!」って言われたら、気狂いますよ。

工藤:やりたいでしょ?

釣部:やりたいです。

 

喜んで働く

工藤:だから、頼むから止めないでくれって感じでしょ?

釣部:思いますね、そこはね。

工藤:だから、人を雇用する側がそれを強いたらだめだと思うんですよ。でも、働く人たちがみんながみんな、今自分がやってる仕事、もう楽しくってしょうがない。幸せすぎてしょうがない。なんで止めようとするのみたいな。

好きでやってんだからって。なんか文句でもあんのって。で、気づいたらその日10時間ぐらい働いていることもあるかもしれない。それで、ブラック企業なんですか? 違うでしょ。喜んで働くフィールドをつくってあげられる経営者って、優秀な経営者だと私は思うんですけどね。どうなんですかね?

釣部:我々「喜働」という、喜ぶ、働くっていう。

工藤:喜んで働く。

釣部:ここが、ほんとにベースの部分ですよね。

工藤:そう。喜んで働く人を増やすこの国にしなかったら、どんどん国力下がりますよ。

釣部:僕一月に入院したときに、それまでは疲れてたりして休みたいと思って、入院したら休めるぞと思ったら、だるいぐらい休むじゃないですか。だから、今度寝ていると、なんか焦ってくるんですよね。取り残されていくみたいな。そこで考えているのは、いったい日曜日って誰が考えたんだろうって。あれって奴隷制度が背景なのかなとかって思っちゃったんです。

工藤:宗教的は意味もあんでしょうね、キリスト教のね。

釣部:なんかあの日は仕事しちゃいけないとかっていって、仕事したっていってね、はりつけになったりとか…。

工藤 安息日※1って休息日っていうんですかね。

釣部:なんで日曜日がいるんだろうとか思ったし、あとは、イルカショーでね、イワシかなんか食べさして、別に飛び上がりたくないのに飛び上げさせて、あれこそご褒美。

工藤:ご褒美ですね。

釣部:そうしたら、自分で自分を調教していっているのが、あのご褒美…。

工藤:でしょうね。

釣部:…なのかなと思ったんですよね。

工藤:まあね、私たちのちょっと目上の先輩ぐらいの方たちまで、日本の高度成長支えた働きバチと揶揄された先輩方のときは、確かにそういう側面あったんでしょうね。働けば働いただけ豊かになっていった。ね? だから、それが結果的にご褒美見えるでしょう。でも、私子どもの頃、すでに三種の神器ってありましたからね。冷蔵庫あったし、テレビあったし、洗濯機あったし。釣部さんもあったでしょ?

釣部:僕はありました。白黒でしたけどありました。

工藤:いえいえ、私もそうですけれども。でも、ありましたよね。

釣部:万博でカラーになりましたね。 大阪万博※2で。

工藤:あれをゲットしたくて頑張った世代がいるっていうのはわかるんですよ。働いたら働いた分だけ豊かになっていく。幸せだなあって味わえた。でも、物全部あるじゃないですか。逆に物にあふれちゃってどれを片付けたらいいか、どれを断捨離しなきゃいけないかってことで悩んでいる人のほうが多いぐらいでしょ。そんなときにご褒美って何なんですかって、うまいもの食うんですか? 海外旅行ですか? 車買い替えることですか? なんかズレてると思いますよ。

釣部:あのころって、高度成長のころって、親父が言ったたんですけども、ほんとに朝から晩まで働いて、お給料も上がっていきますよね。収入も上がっていくけど、それと共に日本がね、成長していった。戦後、親父は戦争行った人間ですから、焼け野原から日本という国が成長していく姿が喜びだったって言っていた。その歯車の一個に自分が入っていることが嬉しい。

工藤:嬉しいんでしょうね。

釣部:そして、生活が豊かになり、それで物を買えるっていうことだから、きつかったかもしれないですけど…。

工藤:でも、それ喜んでやっていたってことでしょ。

釣部:だから、「喜働」なんだなと思って。

工藤:喜んでやっていたんでしょ。だから、良かったんじゃないですか。

釣部:それが変わって、物は手に入ったけど心だけが抜けちゃってっていうことなのかなと思うんですよね。

今、やりたいことやればいいの!
辞めちゃえばいいの!

釣部:僕、先日ちょっと驚いたことがあって、まだ独身の40過ぎの男性が、まだ結婚してないんですよ。で、どんな人と結婚したいのっていう話に飲みながらなったときに、お金を持っている女社長が良いって言うんですよ。

工藤:ほう。

釣部:「へえ、なんで?」って言ったら、「俺、仕事辞める」って言うんですよ。仕事辞めたいからって言うんですよ。要はヒモになりたいからっていう話で、「いや、そうなの?」って言うと、それなりの方なんですよ。で、「俺も女社長で金持っている人は好きだ」と、「でも、俺絶対仕事やめないよ!」と。もっと自由にもっと(本を)書けるじゃないって。

工藤:その方は仕事を辞めて何をやりたいんですかね?

釣部:遊びたいんじゃないですかね。要は仕事が嫌いだから、何をやりたいかもないんじゃないんですか?

工藤:今、やりたいことやればいいのにね。

釣部:使命とかと出会ってないって。

工藤:やりたいことやればいいのにね。何とかなるもんですよ、意外と。

釣部:日本なら死なないですよね、殺されないし。

工藤:飢え死にする人ってあまり見ないですけど、この国ではね。餓死者ってたまにいるようですけど、でもあんまり。

釣部:新宿公園行けば、炊き出しもありますし、週に2回か3回は食べられますから、別に毎日食べなくても。

工藤:いや、別に何とかなりますでしょ。

釣部:死なないですよね。

工藤:と思いますけどね。好きなことやって、好きこそものの上手なれでね、好きなことばっかりやっていたら、それがいつの間にか人より卓越してて、その卓越さにあんたにお金払うよって人だって出てくるじゃないですか? うちは音楽の仕事やってるんで、うちの連中なんて全員そういうやつらですよ。好きで音楽ずっとやっていて、そうしたら食えるようになったっていうだけの話なんで…。

釣部:武道やる人とか、ミュージシャンとかって、やっぱり好きじゃないと、その過酷というか売れる売れないで言うと、ほんとに何万分、何千分の一ですよね、食べられる人は。

工藤:もし、嫌いだったらできないと思いますよ。だって、たったワンフレーズ弾けるようになるために、気づいたら朝になっちゃったとかいうやつらですよ、ミュージシャンたちって。

釣部:嫌だったら絶対できないでしょ。

工藤:好きでやってんですよ。だから、卓越してきて人よりも優秀になって、結果的にお金がもらえるってなるから、好きなことを思いっきりやったら、それが「喜働」になるんじゃないですかね。

釣部:そうしたら、好きなことをまず見つける。それもやらないとわからない。頭で考えることじゃないですよね、これは。

工藤:そうそう。やってみて自分がウキウキワクワクするものですよね

釣部:ですよね。僕はよく命が喜ぶかどうかって言う、頭じゃなくて。今度それで食える食えないがあって、だったらどうやったら食べて行けるかっていうことを考えたり、そこを誰かに相談して、志さえあれば応援してくれる人が現れてくると…。

工藤:ねえ、なんか私は使ったことないけれども、お金払ったこともないけど、クラウドファンディングとか今あるじゃないですかね。その志とか夢とかが、他人にまで及ぼす影響があれば、財布の紐を開いてくれる人がいっぱいいるわけでしょ。だから、何とかなるもんなんですよね。だから、喜んでやっていない人は絶対無理ですよね。

釣部:今、自分は喜んで働いてないなっていう人が、どうやったら変われる可能性があるんですかね?

工藤:これ、誤解を恐れずに言っちゃっていいですかね?

釣部:はい。

工藤辞めちゃえばいいと思いますよ。

釣部:今の仕事をね?

工藤:うん。あなたがその仕事を辞めたからって、日本経済明日から暗くなるってことないですから、変わんないですから。嫌々ながらあなたが仕事している、その先にお客様とかがいるわけでしょ。迷惑ですよ。お辞めになられたほうが良いと思います。で、それでそんなような仕事の仕方で大きな収入取れるわけないから、何をやっているんだって感じですよね。

釣部:なるほどね。今、パーッと話してて思い出したのは、僕高校の教員で熱血でやってて、部活持ってて、担任はちょうどその年は卒業させたあとで副担任だからあんまり関係ないんですよね、担任休みの年で。

部活の子たちはやっぱりかわいそうで、僕は7月末で辞めたんです。そのときに、辞めるって言ったときにやっぱり(部員)みんな泣くんすよね。やっぱ辞めないでくれと。そこまでは想定内で、そこで何て言ったかなんですけど、僕は当時子どもたちに「夢を追え!」って言ってたんですよ、言葉としては。

そこで、僕もなんか泣きながらですけど、「俺いつもお前らに夢を追えって言ってたよな」って。「じゃあ、先生は夢を追ってるのか、追ってないのかって自分に問うたんだ」と。「俺は自分の夢を追いたい。だって、お前らに夢を追えと言った俺が、俺の夢を追わなかったら、俺じゃないだろ?」って言った。

「じゃあもし、お前らがそうやって止めてくれて残ったとしよう。お前らは良いかもしれないけど、俺はどう思う?」って。「お前らのせいで夢を諦めたって俺は思うぞ」って。「言わないけど思っちゃうんだ。それを引きずってお前ら責任とれるか、俺の人生に」って言ったら、「とれないです」って。

そしたら、キャプテンが「わかりました」って言って、男のキャプテンが、すぐに「今からコート行ってください」って。「残された期間、僕らに仕込めるだけ仕込んでください!」って、泣きながら練習しましたよね。

工藤:いいですね。

釣部:今思うとあのときに僕がそう言えたっていうことは、その「辞めてしまえ!」ということですよね。

工藤:良いと思いますよ。

釣部:じゃないと、今頃公務員で偉そうにして、校長先生になっていたかどうかわかんないですけど。子どもたち相手に威張った人間。今ならね、いろんなことがあったんで、戻ってもそれはないですけど、でも、あのとき僕はね、33ぐらいで、35になったらできないと、あのときは思ってたんですよ。

工藤:なるほどね。

釣部:しがらみや家族を食べさせるとかがあったんで。で、我慢して生きてくみたいな。みんなに言われましたよ。「お前良いな。よく決めたな!」って。「俺たちは、もうローンがあるから…」とか。家売ればいいのにと思ったんですけど、そういうのがあるんですよね。

工藤:ありますよね。

釣部:じゃあ、辞めちゃうっていうのも、決めることですよね。

工藤:そうですね。決めちゃうことですね。

釣部:食べる道があるから辞めるんじゃなくて、まず辞めるぞと。あとは、常識の中でタイミングだとか。

工藤:まあ、人に迷惑かけちゃね、いかんと思うので、そういったね、バランス考えながらってことで、勝手はできないんでしょうけど。まあでも、そのとき自分がこの道だって思ったことが正解ってわかんないですもんね。何が功を奏すかわからないので。

釣部:僕はね、3月までやってれば年金がね、200万ぐらい違ったんですよ。ちょうど10年目のとこだったんで。だけど、もう気持ちがないわけですよね。気持ちがない中で授業やっていたりすると、怪我させるなと思ったんです。あと、3年生も持ってたんで、進路関わって真剣な相談来るじゃないですか。

それに対して、すごく失礼だなって思ったら、それを教頭先生に相談したら、「お前は相手にとって一番良い時期に行きなさい」と。「あとのことは私たちの責任です。気にするな」って言ってくれて、背中を押してくれたんですよね。そういう意味では、学期の終わりっていう、7月末で辞めさせてもらえたんですけれども。

工藤:なるほどね。

釣部:そう思うと、若いときこんな言葉も知らないですけども、結果的には選択をしたんだなと思いますよね。じゃあ、先に決めて辞めてしまう。まあ、常識の範囲の。

工藤嫌なら辞めればいいんですよ。嫌々ながらやってて、それに付き合わされる人のほうが、それこそ迷惑でしょ。ね? だから、やりたいことちゃんとやんなきゃ、私はうそだと思うな。例えば、それで遠回りすることになったって、例えば、旅だと思えばね、遠回りした分だけいろんな景色見れるじゃないですか。それがたまたま地獄絵図のこともあるけれども、見ちゃったのがね。だけど、別に悪いことではないと思いますよ。

釣部:あるお子さんがお父さんがそれで辞めて、持ち家だったのがアパートになって、貧しくなってご飯のおかずも少なくなったけど、幸せだったって、そのほうが。だって、お父さんが笑っているっていうのがあって、で、お母さんもパートに出たけど、それをだから子どもたちは支えようと思ってできて、実はあの時代が一番幸せでしたって。事業成功したらお父さん、なんか遊びに行ったりとかして、全然幸せじゃなかったっていうのをね、ある人が言ってました。

工藤:そうでしょうね。

釣部:そんなもんなんだなあと。

工藤:なるほどね。

釣部:思いましたね。われわれ、倫理法人会(『万人の知恵 その一』の第一話参照)で学んでいるんで、朝、いろんな方の話聞くと、こういう話ってありますよね。

工藤:そうですね。

釣部:あと、同じ仕事でも気持ちが変わるってことで、嫌々やっていた仕事が実はやりたかった仕事なんだっていうことに出会うとか。お父さんに言われて稼業継いでいたけど、嫌だったけど実はそれはやりたいことだったんだとかっていうのもありますよね。

工藤:あります、あります。

釣部:工藤さんは、あえて違う道を選ばれたということなんですか? お父さまと。

工藤:まあ、親父サラリーマンだったんですけれどもね。うちの一族としては、ちょっと珍しい方向に私は行っちゃいましたよね。

釣部:ミュージシャン?

工藤:…とか、スポーツとか音楽とかうちの一族は全然関係ないよね。うちの一族は学究肌なんで。あんまり勉強はしなかったですけれども、まあ、音楽とかスポーツとかばっかりやってましたね。

釣部:それは別に逆らったとか、そういうことじゃなくて、やりたいようにやらせてもらったという感じ?

工藤:まあ、好きにしてたって感じですね。

釣部:じゃあ、お父さまお母さまがありのままを…。

 工藤:いや、言われましたよ。「なんで勉強しないんだ」って。「勉強しろ!」って言われていましたよ。「勉強しろ!」って言われて勉強する子っているの?

釣部:今いるんじゃないですかね。脅されるっていうか。勉強しないと将来がないとか。就職がないとか。どうです、皆さん言われませんでした? そしてやりました勉強? 言われてやった? やっぱりいるんですよ。

工藤:いるんだ。うちは親父とかおじいちゃんとかね、日本で一番良い大学出ていましたけど、だけど、勉強してその程度って思っちゃうじゃないですか、家族だから全部知ってますから。だったら、そこに価値を見出せないですよね。だから、べつにそれは良いんじゃないのかな。ただ、間違いなく言えるのは、親祖先から受け継いだ「個性(たち)」を封印するのはもったいないですよ。

釣部:うん。

工藤:だって、うちに音楽家とかスポーツマン誰もいないんだもん。だから、ものすごく努力してもやっと人並みですよ。

釣部:はい。

工藤:うちは学究肌の一族なので、ちょこちょこっと哲学、ちょっと勉強しただけなのに、人前でしゃべれて、しかも講演料までもらえるようになっちゃうわけじゃないですか。じゃあ、誰もができるかってそんなわけないでしょ。

だから、これは親祖先から受け継いだ「たち」がそうさせてくれてるわけで、なんか、親祖先の「個性(たち)」を使わせてもらうっていうのは、スタート地点が高いんですよ。たぶん、その「個性(たち)」をないところから頑張るっていうのは、マイナスからのスタートになるんで、かなり頑張ってやっと人並みなんですよね。

釣部:じゃあ、医者の家系がお医者さんが多いだとか、芸術家の家庭は芸術家が育ちやすいという。

工藤:…やすいというのは、まさにそのとおりだと思いますよ。絶対そうだと思います。

釣部:なるほどね。でも、この働き方改革?

工藤:うん。

釣部:まあ、行政にモノ言ってもしょうがないですけど、確かに働くことが楽しくない、嫌なことだという前提でつくられてます。

工藤:そう。

釣部:ということは、つくった方がそうなんですよね。たぶん。

工藤:っていうか、私は申し訳ないけど、政治に関わる人たちが、国民をなめていると思いますよ。みんな働くの嫌いだろ、働くの大変だよなって言っているようにしか聞こえないです。

釣部:はい。じゃあ、俺たちが少しでも楽にしてやるよぐらいの…。

工藤:そうそう。もっといやらしい言い方すると、だから、うちの政権に票入れてねっていう具合に見えちゃう。違うよって、結構多くの人は喜んで働けるステージに、行けるもんだったら行きたいと思ってあがいてる人が多いですよ。そこをわかんないと。

釣部:じゃあ、逆に予算つけるなら、それをサポートする人たちに予算つけて…。

工藤:そう。喜んで働ける人がもっと喜んで働けるような政治をやったら、ものすごくよくなると思いますよ。

釣部:じゃあ、副業解禁なんていうのは、それのガス抜きですかね?

工藤:ガス抜きなのかな?

釣部:もうちょっとうまくいったら、そっちで流れてもらってもいいよという。

工藤:うーん。ですかね。

釣部:でも、副業解禁ってすごいことですよね。

工藤:まあね。私らの年代からするとね。

釣部:専念しなくちゃいけない時代に。

工藤:そうそうそう。

釣部:副業も土日良いですよって。

工藤:良いですよねっていって。本業に差しさわりがなければねってことで…。

釣部:すごい時代ですね。僕なんか休みもないし、自分で決めるし、いつが日曜日かもわからないし、疲れたら休むみたいな。

工藤:そうそう。

釣部:そんな生活で睡眠時間も3時間の日もあれば、8時間の日もあれば、昼寝する日もあれば、時間がなければしないし…。

工藤:徹夜する日もあれば。

釣部:はい。

工藤:自営でやっている人、フリーランスはみんなそうですよね。

釣部:うん。だけど、今はおかげさまで、嫌な仕事はしなくて済むようになったので、めんどくさい仕事ってのはありますけども、全部基本的にはやりたいし仕事の中で、利益が多いか少ないかっていうだけでやってるだけなんですよね。

なんかね、ぜひ、聞いている皆さんも自分の中の働き方改革で、もし、絶対違うと思う方いたら、常識の範囲でお仕事辞めて…。

工藤:そうですね。

釣部:ねえ。自分のやりたいもの見つけてね。

工藤:そう。喜んで働くっていうステージに入っていかないと、だって人生のかなりの部分仕事でしょ。

釣部:はい。

工藤:そこが辛らかったら、辛いですよね。

釣部:病気にもなりますよね。

工藤:なると思うな。

釣部:病気の気はね、「気の病」ですから。

工藤:そうです、そうです。

釣部:やりたくないことやって生きているわけですからね。

はい。じゃあ、働き方改革また注目しつつ、自分は喜んで働くという人生送れればと思います。時間となりました。今日はありがとうございました。皆さんありがとうございました。

工藤:ありがとうございました。

【用語解説】
※1 安息日は、アブラハムの宗教(ユダヤ教・キリスト教・イスラム教)において、何もしてはならない日と定められた日。
※2 大阪万博:日本万国博覧会は、1970年3月15日から9月13日までの183日間、大阪府吹田市の千里丘陵で開催された国際博覧会。高度経済成長を遂げたばかりの活気ある日本で開催された。

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