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万人の知恵CHANNEL【第15回】 物が溜まってしまう。〜断捨離だけでない 名人と道具の関係!〜

インタビュアー:万代宝書房代表 釣部 人裕氏
ゲスト:アーティスティックコミュニティ代表 工藤 直彦氏
収録:2019年9月13日

使わないでため込んだモノ「死蔵物」という

釣部:はい。皆さんこんばんは。万代宝書房『万人の知恵チャンネル』の時間になりました。今日はヒマナイヌスタジオ高円寺からお送りしております。メインゲスト、工藤直彦さんに来ていただいております。よろしくお願いいたします。

工藤:はい。こんばんは。よろしくお願いします。

釣部:ギャラリーの方、たくさん来ていただいております。よろしくお願いいたします。では、工藤さん簡単な自己紹介お願いします。

工藤:音楽事務所をやりながら、哲学の私塾をやらせていただいております工藤でございます。

釣部:よろしくお願いいたします。質問というか、思うことは、モノのね、使い方というか。

工藤:モノの使い方?

釣部:何かというと、僕今は良いんですけど、前のオフィスで仕事しているときに、間借りしていたんですよ。ちょっと大きかったんですよ。だから、本体の会社の違うところからやったカメラ器材とか、コンピューター器材は、使うと称して置かれていくんですよ。だけど、基本的に年に1回ぐらいしか使わない。だから、また増えてくんですね。5年ぐらいいると、いっぱいたまって。

工藤:たまっちゃいますね。

釣部:もう、そこにも座れないですよ。そうしたら僕の周りだけはきちんとしているんですけど、それなりに。そこに行くだけでもうね、疲れてきちゃってたんですよ。「俺、倉庫で仕事してんのかな?」って勘違いが…。

工藤:なるほどね。

釣部:でも、自分の机や目の周りはちょっと壁つくったりしてきれいにしてやってるんですけど、でも、トイレ行ったりとか、やっぱり横を通るじゃないですか。なんか、疲れちゃったんですよ。

工藤:なるほど。

釣部:なんでみんなね、もっと早くに使わないんなら売ればね、お金になるじゃないですか。だけど、10年前のものとかになったら、コンピューターなんて値段ないじゃないですか。 断捨離

工藤:そうですね。

釣部:逆に処理代かかるみたいな。すごいもったいないことしているなと思ったんですよね。で、「モノはこれを生かす人に集まる」っていう、工藤さんいつもおっしゃっている。その辺について少しお話しいただけますか?

工藤:はい。モノってなんか目的があって生産されているわけですよね。特に生産物はね。生産物じゃない自然のものだって、なんか存在価値があってあるわけじゃないですか。だから、それを生かしてあげられないっていうのは、やはりよろしくないですよね。

だから、私どもの勉強会では、死の蔵と書いて「 死蔵物※1」と言いますけれどもね、使わないでため込んだモノ「死蔵物※1」っていうんですけどね、死蔵は危ういとかね、運が悪くなるからと。でも、これって私たちの勉強会入ってない人だって、昨今 断捨離※2ってはやっているじゃないですか。

釣部:はい。断捨離※2

工藤:断捨離ってはやっていますよね。だから、こういったようなことでも、たぶん、合っているんだろうなと思いますよね。

使わないモノ、要らなくなったモノは、使ってくれるところがあるのであれば回してく、それでも使ってくれるところがないんであれば、感謝の礼式をとって処分をさせていただく。 こんなようなことをやるといいのでしょうね。だって、今もあんのかな? お裁縫の学校って今もありますか? 洋裁学校。

釣部:洋裁学校はありますよね。

工藤:たぶん、ありますよね。例えば、先が丸まっちゃったり、曲がっちゃったりした針ってもう使えないじゃないですか。針供養ってありますよね。あれって言うのは、感謝の礼式をとって処分するわけですよね。

「今までお世話になりました」って言ってね。そんなようなことをやってくっていうこと。結構大事なことだと思いますけどね。

釣部:なんか今ポイポイ捨てちゃう場合とか、あとは置いといたり。結構自分の家でも3年も着ない服があったり、あと、誰かの会社に行くと、結構倉庫の上に「これ、何年使ってんの?」って、埃かぶったものとかありますよね。

工藤:使ってないんですけどね。ずっと置きっぱなしでね。

釣部:それ、整理するだけでも大変ですよね。

工藤:そうですよね。

釣部:僕今までの仕事で転勤っていうか、転職したら最初にやることが倉庫整理だったり、事務所整理なんですよ。もう、気になってしょうがないんですよ。本棚に本が、縦じゃなくて横にも入ってて。

工藤:そうそう。

釣部:もう、地震あったら大変っていう。「これ、整理しませんか?」って。「じゃあ、やってよ」って、「じゃあ、僕やりますよ」って言って、要る本と要らない本選んでもらって。

工藤:なるほど。

釣部:「じゃあ、ここ!」とかって、棚とか全部やって。今思うと断捨離で。ただ、なんか波動っていうか、変わりますよね?

工藤:やっぱりね、片付けて要らないもの捨てると気は良くなった感じはしますよね。

釣部:リサイクルショップとかって、良い悪いはないでしょうけど、やっぱり上手に使う人に使ってもらうってことですよね。

工藤:増えましたよね? リサイクルショップ今どこの街にでもいくらでもありますよね。

釣部:昔は質屋さんっていう感じですかね。

工藤:質屋さん? 質屋さんか? うーん。

釣部:お金もらって流して、それを安く買うみたいな。

工藤:中古でモノを買うっていうのって、この10年ぐらい?

釣部:ブラインド品のはありましたよね、お店?

工藤:ありましたよね。でも、あれは質流れ品だったでしょ、もともと。今ほんとに中古ショップ、リサイクルショップってこんなに多くなったの最近でしょ?

釣部:数年。あと、アプリですかね。

工藤:メルカリとか。

釣部:メルカリとか。あとは、お客さん同士で。

工藤:ジモティーとか、ヤフオクもそうかな? いっぱいありますよね。

釣部:はい。

工藤:オークションサイトね。ああいったようなのありますよね。だから、すごいですよね。自分が使わないモノを使ってくれるところに回してもらう仕組みが出てきてるってことですよね。どんどん使ったらいいですよね。  

釣部:まあ、ある意味めんどくささはあるんですけどね。

工藤:でも、慣れですよ、慣れ。

釣部:僕もいくつか、これ使わないなっていうモノを取りに来てもらって。地下鉄の改札から出ないで、そこで渡して、お金1500円もらっていくとか…。あと、車で取りに来てくれる方ならとか。

工藤:はいはい。

釣部:ちょっとね、大きなタンスとかイスとかもあったりとかして、いくつか。別にあれは、お金が欲しいというよりも、誰かに使ってもらえるってほうが…。

工藤:あとはね、やっぱりね、一時期流行語になった「もったいない」って。

釣部:はい。「もったいない」。

工藤:あれって日本語特有のもんだっていうじゃないですか、「もったいない」って。

釣部:英語にはない?

工藤:外国には「もったいない」ってないって、世界中にはどっかにあるのかもしんないけど。「もったいない」ってマインドを私たち日本人ってなんかどっか持ってて、それを捨てるのは心苦しい。使ってくれる人がいるんであれば、もらってほしいっていう。すごく良くできていますよね。

それがさらにお金になれば、なおさら良しみたいなね。安く手に入れられるのであれば、別に新品じゃなくてもいいよって人もいるわけなんで、中古品でもリユースでも構わないよっていう人にとってみたら、これまたニーズがあるわけでね。とっても良い仕組みだと思いますけどね。

釣部:たまにごみの日の、大きなゴミの日って。

工藤:粗大ごみですね。

釣部:粗大ごみに、これ使えるだろうなって。

工藤:あります、あります。

釣部:たまに、違法なんでしょうけど、トラック来て、誰かが先に。

工藤:積んで行っちゃいますよね。

釣部:持ってっているっていうのもありますけどね。

工藤:ありますね。

釣部:音楽なんかでも、スピーカーだとか。

工藤:ありますよ。

釣部:アンプとかって高いのが…。

工藤:ありますよ。

釣部:ありますよね?

工藤:ありますよ。ものすごく往年の名器と言われたものがね、ジャンク品扱い1円スタートとかいって、オークションなんかで出てることしょっちゅうですよ。

釣部:昔100万・200万みたいな?

工藤:そこまではないけど、でもでも、30万・50万ぐらいのもので、今では手に入んなくなった真空管を使っちゃったやつとかね。今でも真空管、あるにはあるんですけれども、ちょっとレアですよね。

だから、もう打ち込み系っていうか、いわゆる電気仕立て、電子仕立ての音とは違うぬくもりがあるんですよ、真空管使うと。やっぱりこういうのって欲しいなと思う。だけど、高くて手が出ない。

ましてや若かった頃、お金がなかった頃、とても買えなかったっていうのが、往年の名器がジャンク品扱い1円スタートっていって。とりあえず買うでしょ。送料だけで買えちゃうわけですよ。

誰もそんなの落さないですから…。でね、取り寄せてみるとなんと。私電気系得意じゃないんですよ。工学部出ているわけでもないのでね。その私、電気系苦手な私が、ラジオペンチとドライバーとはんだごてだけで、ちょっといじっただけで音出るんですよ。

釣部:うーん。

工藤:結構出ますよ。接点復活剤ってわかるかな? 簡単に言うと油なんですけどね。これを差すだけで、もう音が出るのもあるし、ね? ありがたいですよね。タダでゲットですよね、ほとんどね。それで仕事をさせてもらうと、うちは利益は膨大に出るわけですよね。

釣部:それは自分で直せるから大丈夫?

工藤:いや、だから私直せる技量ないんですよ。その私でも直ることがある。全部が直るわけでもないですよ。でも、これはあまりにも惜しいなってったら、直せる人に頼んでお金払って直してもらうこともあるけれども。でも、十分いけますよね。

釣部:リサイクルショップではそれを直して?

工藤:直してって。なんかね、蓋開けて、掃除機でガーッと吸うだけで生き返っちゃうこともあったり。

釣部:ふーん。

工藤:あと、ほんとかなと思うんだけど、基板洗っちゃうそうですね。洗っちゃう。

釣部:薬剤じゃなくて?

工藤:じゃぶじゃぶと水で。

釣部:水でですか?

工藤:そうすると生き返る。もともとほら、捨てるつもりだったもんだから、もう怖いもんないじゃないですか?

釣部:はい。

工藤:そうすると生き返ることがあるとかね。

釣部:はい。

工藤:それを売ってるんだから、リサイクルショップは結構利益出ますよね。

釣部:それってモノが喜ぶって言い方は変ですけど、モノはやっぱり適正に。

工藤:まあ、もう一回働けるって思ったら、もし、モノが生きているんであれば、それは喜びますよね。「あー、もう僕引退だと思ってたのにもう一回使ってくれるんだ。嬉しいな」みたいなね。野球でもね、なんとか再生工場とかいう監督いましたよね?

釣部:はいはい。

工藤:あんな感じですよね。普通だったらもうね、故障で引退だったのに、復活させてくれる人がいたら嬉しいですよね。だからモノもそうなんじゃないですかね。

モノと自分って分けてない人

釣部:工藤さんよく、モノは目的というか役割がある、そのとおりに使ってあげないとだめだよっていう。

工藤:そうそう。違う目的で使うとね。

釣部:はい。それが役割が終わったらきちんと終わってあげるっていうか。

工藤:「お疲れさまでした」ってね、「ありがとうございました」って、「お世話になりました」ってまるで人と付き合うようにモノと付き合うといいですよね。

釣部:それはなんですか、心ですか?

工藤:心かな? まあ、心だと思うんですけどね。ただ、経験的に覚えてきたことで、私、音楽の世界の人間じゃないですか。腕のいい人で楽器を粗末にする人いないんですよ。これスポーツの世界もたぶんそうだと思いますよ。

あるギタリストの先輩がいるんですけれどもね、もう70超えてるような。生で聞いた中ではこんなうまい人いんのかなって、1本のギターでこんな音出るんだって。もう衝撃的に、劇的にうまい神業の人がいるんですね。

全然売れてないですよ。ちょっと性格がユニーク過ぎて、誰も付き合えないんで。だけど、その人はたかだか5分間だけの休みのときも、次5分後にまた弾くんですよ、リハーサルとか練習とか合わせのときにね。

なのに、たった5分ですよ。プロといえどもみんなギタースタンドに立てかけるだけなんですよ。だって、5分後にまた弾くんだから。ね? でも、その人は、ピカピカにクロスで磨き上げて、しげしげとギターケースに一回しまうんですよ。 ギターケース

私、その方と初めて仕事したときにね、タイムテーブル理解してないのかなと。もう、上りのつもりかと思っちゃって、「いえいえ、まだですよ。まだこのあとも何曲かありますよ」って言ったんですよ。

本人もう上がって帰ろうとしているのかと思って、勘違いしちゃうじゃないですか、いきなりしまうから。そうしたら、私直彦なので、ナオって呼ばれているんでね、「ナオちゃん、わかってないね。

だからナオちゃんはへたっぴなんだよ」とか言って笑っているわけですよ。それでまた、時間になったら、しげしげとギターケースから出してまた弾き始めるんですよ。合理的ではないですよ。

でも、この人ほんとにお上手なんですよ。たぶん、ギター以外のすべての楽器全部そうだと思います。やっぱりそのぐらい大事にしている人で、へたっぴっていうのはまずいない。ここんとこ、すごくポイントだと思うんですよね。

釣部:職人さんでも、道具をすごく大事にされたり、きれいにされて。

工藤:何十年も同じのを使っている方、多いですよね。

釣部:多いですよね。包丁でもね、何十年って。

工藤:こんな包丁が細くなっちゃってもまだ使っている方、いっぱいいらっしゃいますよね。

釣部:カンナとか。

工藤:そうですよね。

釣部:直して、直して、使っていますよね。

工藤:そうそう。

釣部:それって、言い方悪いですけど、しょせんモノじゃないですか。

工藤:しょせんモノですね。

釣部:だけど、それをどう扱うかっていう人の心で、パフォーマンスなり何か…。

工藤:あとは、やっぱり自分そのものになっちゃってんでしょうね。モノと自分って分けてないんでしょうね、その次元の人って。

釣部:なんか通い合ってきませんか、感覚的に。

工藤:だと思います。だと思います。一心同体なんだと思います。

釣部:僕スキーとか、テニスとかで、ラケット持っていると、60センチぐらいだけど、この角度の先っちょがわかりますもん。

工藤:あー、グリップでね。

釣部:グリップのこの小指ちょっととかで。

工藤:はいはい。言っていることよくわかります。

釣部:ここに絆創膏一個してたら、もうだめですよ。

工藤:あー、わかります、わかります。言っていることよくわかります。

釣部:あと、(グリップの)皮を張り替えると、馴染むまでに3日~4日かかりますよね。

工藤:わかります、わかります。おっしゃっていること、すっごくよくわかります。

釣部:ガットって糸みたいの張り替えると、また馴染むのに2~3日。

工藤:そうですよね。

釣部:…かかりますし。スキーなんかも、あれ190㎝ぐらいあるわけじゃないですか。自分のこの感覚がスキーと、自分の足と両方と一体になるんですよ。

工藤:わかります、わかります。

釣部:最初は長い板を回してるんですけど、同時に動くようになる感覚があって、そのときやっぱりうまくいきますよね。あと、これ聞いた話なんですけど、よく工場で、何かの工場のデカい機械があって、壊れたり、ラインが止まっちゃったり、あとは怪我をされる方がいて、そのときにある方がアドバイスとして、機械に名前をつけなさい。

大好きな人の名前、例えば、娘の名前だったり、それを貼りなさいって言ったらしいんですね。貼ってくとその使っている人は、最初は貼っただけなんだけど、だんだん「じゃあ、何々ちゃん、バイバイ」とか、「何々バイバイ」とかって、だんだんお掃除を始めて、整理をしだして、次に来たら「おはよう! 何々ちゃん」って言いだして、もう自分の好きな人の名前ついているから、機械の名前じゃなくて。そうしたら事故は減るわ、故障は減るわ、生産性は上がるわ、社員さんはイキイキ。

工藤:そうですよね。はい。

釣部:そうしたらもう挨拶して、機械に、帰るようになったって。なんなんですかね、これって?

工藤:いや、よく聞く話。特に私たちの団体では、すごく聞く話。

釣部:聞きますよね、それね。

工藤:私の先輩経営者でも、そういう方ゴロゴロいますよ。

釣部:はい。だから、何人かじゃないんですよね。それってやっぱり人間の持つ心、モノに対する心持ちが変わることで、やっぱり影響するんですよね。

工藤:と思いますよ。私の先輩でね、ある大手の自動車メーカーの下請けの、結構大きい会社経営されてる方なんですけれどもね。機械のネジとかボルトを全部外して、ピカピカに磨き上げるんですって。

それをやってったら、なんと1年間の、要はメンテナンスにかかる費用が数百万単位で下がったんですって。だって、ネジとかボルトってはめっぱなしでも、だから何って感じじゃないですか。

でも、外して磨くとか、そんなことやっただけで。社員さん、自分の担当の場所が決まっていて、そこは自分の責任でみんながきれいにする。そうすると、メンテナンス費用が激減したっていうことが…。こういうことってあるんだなって思いますよね。

釣部:やっぱり見えない世界と見える世界っていう話になってしまうんですよね。

工藤:うーん。まあ、面白い話ですよね。科学的に説明しろ!っていったって、説明つかないですけどね。

釣部:僕入院したときに、入院してちょっと経って、ちょっと良くなったからパソコンでやろうと思って、「持ってきて!」って持ってきてもらって、スイッチ入れたら、バチって切れて開かないんですよ。

工藤:はいはい。わかります、私も。

釣部:仕事するな!ってことかと思って、持って帰ってもらったら、入れたら開いたっていうんです。

工藤:わかります,わかります。

釣部:これ2回あったんですよ、私。

工藤:パソコンはありますよね。パソコンはほんとにありますよね。

釣部:そのパソコンのメンテナンスしてもらっている方が、「いや、このパソコンはツリさんと一心同体だから、やめろっていうメッセージだから、入院中はやめな!」って言われて。

工藤:そういうことでしょうね。

釣部:…やめて、帰ってからもパチって消えたんですよ。あ、ヤバいと思って休んで。そのあと、シール、名前つけましたパソコンに。「ツリベッティ」って名前つけて、僕のあだ名なんですけど、シールに貼って、「ツリベッティ、よろしくね」とか。

夏場もっと暑くなるから、保冷剤ちょっと置いたりとかして優しくして、「いろいろ、ありがとうね」って言って終わるようにしています。変わったのか、変わんないのか、今んところ止まったり、壊れたりしませんけど。

そんなこともあって、ちょっとやっぱり愛情が湧くというか。ありがとねっていう気持ちにはなりますよね。まあ、こればっかりは、説明はつかないでしょうね。

工藤:それはつかないでしょうね。ただ、体験的にはそうなんだろうなって思わざるを得ないことが多いですよね。

欲のあるだけ差し引きされる!

釣部:例えば、僕が今日家帰って、今日でも明日でも、もう2年間ぐらい着ない服を全部リサイクルに出すとか、ちょっと限界なモノは捨てるとか、そういうことしたら、なんか変わりますよね、たふんね。

工藤:変わるとは思いますけど、欲のあるだけ差し引きされると思うんで。

釣部:あっ!うまくいきたいと思ってやると。

工藤:そうそう。ただただ「喜んでせずにおられずやったこと」っていうのは結果が良いの。

釣部:じゅあ、断捨離したら良いことあるぞ!とかって思ってやると、大体差し引かれてちょっとしか…。

工藤:そうそう。その欲のあるだけダメなのね。

釣部:なるほど。

工藤:そう。

釣部:純粋に断捨離しようと。

工藤:そうそう。そう。

釣部:難しいっすね。それはね。

工藤:はい。

釣部:工藤さん、結構、断捨離されるんですか?

工藤:モノによりますね。

釣部:楽器類は逆にためちゃってるとか?

工藤:ためるっていうよりは、たまりますね。使ってないわけではないので。

釣部:うん。

工藤:特に音響の機材なんていうのは、新しいのがどんどん出てくるので、これ便利だなと思うのは、やっぱり仕入れるわけですよ。もちろん、リユースばっかりじゃなくって新品も買います、新しいものね。

じゃあ、昔のものは使わないかっていったら昔のものも使い勝手が良いものはあって、だから、使わなくならないようにしますよ。

釣部:逆にね。

工藤:そう。例えば、細かい話ですけど、シールドっていってね、こういう線があるわけですよ。これが中で断線しているってことがあって、音が出ないってことあるんですね。

だけど、この断線している箇所の手前で切ってもう一回つなぎ直してあげれば、短くはなるけど、もう一回使えるじゃないですか。 だから、こういったような使い方っていうのは、結構意識してやっています。

買っちゃったほうが早いだろって理屈もあるかもしれないんだけれども、でも、使えるものは使ってくっていうことをしないと、なんか変な言い方だけど、罰が当たるような気がしますよね。だから、使えるもんは使ってくっていうこと。

釣部:それが、そうしないと気持ち悪いっていう感覚になれば、一番良いんですよね。自然とそうなっていくっていうことで、それってたぶん、自分との接し方にもなりますよね。自分を大事に使うっていう、体は入れ物だっていう。

そうすると難しいので、魂はなんでって話になっちゃいますけど、それはちょっと脇において、自分の体をちゃんとしよう。使ってるモノをちゃんとしようというと、要は心が整っていくから…。

工藤:そうです、そうです。  

釣部:健康にもなるし、周りの方々も整っていくっていうことですよね。

工藤:そうですね。

釣部:はい。わかりました。また、時間になりました。これを聞いた方は、変な心なく純粋な心で断捨離をして…。

工藤:欲のある分だけ差し引かれる。

釣部:差し引かれますので、それはないように、今日明日でも整理されたらと思います。僕も頑張ります。欲を出さないように。頑張っちゃいけないんですね。ただやります。はい。今日は工藤さん、どうもありがとうございました。

工藤:はい。どうもありがとうございます。お疲れさまです。

釣部:皆さん、どうもありがとうございました。

工藤:ありがとうございます。

【用語解説】
※1 死蔵(しぞう)とは、所有物を役立てず、ただむだにしまい込んでおくこと。
※2 断捨離は、「もったいない」という固定観念に凝り固まってしまった心を、ヨーガの行法である断行、捨行、離行を応用し、 断:入ってくるいらない物を断つ。 捨:家にずっとあるいらない物を捨てる。 離:物への執着から離れる。 として不要な物を断ち、捨てることで、物への執着から離れ、自身で作り出している重荷からの解放を図り、身軽で快適な生活と人生を手に入れることが目的である。ヨーガの行法が元になっている為、単なる片付けとは異なるものとされている。

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