万人の知恵CHANNEL【第33回】手段が目的化しない方法は? 〜心が曇らない工夫〜
インタビュアー:万代宝書房代表 釣部 人裕氏
ゲスト:アーティスティックコミュニティ代表 工藤 直彦氏
(株)ポリアフ 代表取締役 咲東 ゆき氏
収録:2019年12月10日
あちゃ! やっちまった私!
釣部:はい。万代宝書房、『万人の知恵チャンネル』の時間になりました。本日はヒマナイヌスタジオ高円寺からお送りしております。今日はゲストに工藤直彦さん、咲東ユキさんに来ていただいております。はい。よろしくお願いいたします。あと、ギャラリーにもたくさん来ていただいております。どうもありがとうございます。では、工藤さん自己紹介お願いいたします。
工藤:音楽事務所をやりながら、哲学の私塾をやっております。工藤でございます。よろしくお願いします。
釣部:よろしくお願いいたします。じゃあ、咲東さんお願いします。
咲東:化粧品の開発・製造をやっているかたわら、ラプハピネス協会という女性の体を守る会の代表をしております。咲東(さとう)ゆきです。
釣部:よろしくお願いいたします。今日ご質問があるということで、工藤さんに…。どうぞ。ご質問をお願いします。
咲東:はい。ありがとうございます。美容業界に入ってから24年が経つんですけれども、まだまだ女性の体のこと、女性が知らないことがたくさんありまして、それを美容を通して皆さんにお伝えしたいなと思って、ずっと仕事をしています。
その一つとして、今までやったことのない化粧品をつくるということをさせていただいて、やっとついこの間、化粧品のものができたんですけれども、本来は女性にまだ知らないことをお伝えしたいということが先行だったはずなんですが、その化粧品をつくるにあたって、本当に知らない世界にいきなり飛び込んでしまったので、どうしてもその物というものが、何千個というものが出来てしまうと、それをどうにかしないといけないという自分の心がそっちのほうにいってしまっておりまして、本来からかけ離れてしまっちゃっているのかな。
でも、目の前にはしなきゃいけないことがあって、自分の中で本来したいことから離れてしまっているんじゃないかという、仕事に対しての違和感がちょっと出てきてしまって、正直楽しくないという現状でいます。
釣部:なるほど。当初は教育と言ったら変ですけれども、女性の体のことを女性にお伝えしたいという、どちらかというと教育的な思い。だけど、化粧品というものが出来てしまうと、今度物販で、売らなくてはいけないという方向にいってしまって、ちょっと面白くなくなってきたぞということです。工藤さん。
工藤:どんなことでもそうだけど、やりたいことに付随して、やりたくないことってセットになって付いてくるよね。
咲東:はい。
工藤:だから、その典型ですよね。だから、女性の体を守ってあげたい。知らない人に大事なことを伝えたいっていうところに嘘はないんだけれども、その思いが結晶化されたのが製品ですよね。
咲東:はい。
工藤:その製品があなたを苦しめているわけですよね。だから、そこを苦しんじゃうと困るよねって話なんだよね。
咲東:はい。
工藤:だから、その出来上がった製品を販売していく。世の中に広くあまねく及ぼしていく。
咲東:はい。
工藤:ね? 正当な対価もきっちりもらいながら、進めて広めていくということが、結果的にあなたがなさりたいと思っていた女性の体を守りたい。あとは、健康とか体を守るということに関して、結構いい加減な人って多いじゃない。
特に若いときって若さだけでいけちゃうんで考えないよね。
咲東:はい。
工藤:だから、そういうのも啓蒙する活動のツールとして使えれば良いわけだよね。在庫が今何万個もあるの?
咲東:はい。
工藤:何万個もあるわけだよね。じゃあ、仮に10万個あると考えてみようか。
咲東:はい。
工藤:そうしたら、間違いなく10万人の人には伝えられるってことだよね?
咲東:はい。
工藤:そう考えても嬉しくない?
咲東:いえ、嬉しいです。
工藤:だから、その過程を考えるから途方に暮れるわけで、そもそも元々は何なのって。困ったときって元々はなに? って考え、すごく大事なんですよ。元を忘れずにっていうのは、すごく大事で、何のために始めたんだというところを忘れてしまうと、私たちってブレるし揺らぐんですよ。
咲東:はい。
工藤:製品を届けるときに、ただ1個いくらで売りゃあいいやって。いくら以上で売れたら損がないや。いくら以上売れたら儲かるやと考えると、違う話になるんだけれども、この商品をたった一人の女性にこの一つをおとどけすることによって、この人の健康に対する考え方が変わる。
男性と違うメカニズム持っているわけじゃないですか、女性の体って。その価値観というのを植え付ける、啓蒙するためにお届けするんだってなったときに、今の在庫の数だけ間違いなく啓蒙できるんですよ。
咲東:はい。
工藤:そこに思いがいったときに、ネガティブになるというのは、そもそもが間違っているという話にしかならないので、考え方ですよね。
咲東:はい。
工藤:確かに在庫の山を見ると、「あちゃ! やっちまった私!」とか思うよね?
咲東:はい。
工藤:だけれども、それはこれだけの人、一個一個手に取ってね、これの一個が届いた人は、こう変わるんだってイメージ持ったら、これだけのことをお伝えできるんだと思ったときに、ワクワクしてくるはずなんですよ、元が間違ってないんであればね。
咲東:はい。
工藤:そのワクワクした心をもって、そのまま取り組めばいい。
咲東:はい。
工藤:ね? 一気にさばこうと思うと途方に暮れるけれども、大事なことっていつも一つ一つじゃないですか?
咲東:はい。
工藤:一歩一歩じゃないですか。だから、まず一つをきちんとお届けするということをやっていけばいい。
咲東:はい。
工藤:そうすると、それに共鳴してくれる人というのが出てくるので、現に使ってみてこれ良かったわという人が出てくるでしょ?
咲東:はい。
工藤:そうなったときに、その人がインフルエンサーになるわけですよ。伝えてくれる人になるでしょ。だから、本当に仮に10万個在庫あるとしたら、10万人にあなたがあたんなきゃいけないというと、たぶんこの一生それで終わっちゃうよね。
咲東:はい。
工藤:だけれども、一人が二人、二人が四人、四人が八人という具合に、ネズミ算式的に「ねえ、これいいのよ!」「これいいのよ!」と口コミが広まったら、もう一回製造しなきゃいけなくなるよね、どっかでね。
咲東:はい。
工藤:「もう、在庫ないんです」と。「今、製造中なんで、入庫待ちです」という感じになるよね。
咲東:はい。
工藤:そうすれば、別のあなたがやることというのは、最初の一歩だけだよね。それをやるかどうかだよね。
咲東:はい。
工藤:たった一人の人を啓蒙する。たった一人の人を幸せにする。それができないのが10万人を幸せにできる道理がない。そこから始めれば良いんだよ。
咲東:はい。
工藤:それだったらたぶん、今夜中に一人ぐらいできると思うよ。
咲東:はい。
工藤:でしょ?
咲東:はい。
工藤:だから、それをやるかやらないかだよね。
咲東:はい。
釣部:どうですか? お聞きして…。
咲東:すごいすっきりしました。大事なこと忘れて、目の前のことでちょっともう、本当にいっぱいいっぱいになってたなと思って…。元の自分は、本当は何やりたかったかというのが、ちょっとブレてしまっていたなと思いました。
釣部:僕お話し聞いていて、手段が目的化しちゃってと思って…。
工藤:そうそう。
釣部:目的は本来あったのに、物を見ちゃうと、それが目的で売らないとというふうになっちゃったときに、ちょっとわけわかんなくなったり、したのかなとお聞きして思ったんですよね。
工藤:実際問題、売らなきゃ困るけどね。それなりにコストもかけてやっちゃったんでしょう?
咲東:はい。
工藤:そうしたら回収しないと、経営がヤバいよね。
咲東:はい。
工藤:それはそうなんだけれども、でも、とはいえ、大切なことはまず一個から。すべてまず第一個からが始まらないと。一歩が出ないと。
咲東:はい。
依存心があったらその時点で負け
工藤:だから、まず一個、ちゃんと一個売る。しっかり説明して納得していただいて価値を共有してもらう。そういう人を増やしていけば、あとは途中からはネズミ算式にぶわーっとブレイクするものですよ。
咲東:はい。あと、どこか企業さんとコラボしようとすると、つくったものに対してそこに思いがあってつくったつもりなんですが、売るためにこうしてください、こういうディスプレイしてくださいと、またさらに資金がかさむような要求がずっとかかってしまうと、もうそのものに対してではなくて、やはり売るためにこうしてくださいという要求がいっぱい増えてしまって、つくる側としては悲しいなと思ってしまって…。
やはりそこで、お届けしたいんですけど、売りたくなくなっちゃうという思いになってしまったり…。
釣部:でも、工藤さんのお話し聞いて、あーと思ったのは、僕は数に紛れるという表現をするんですけど、売るほうじゃなくて、例えば、会議で50人いると、居眠りしたりボーっとしているけど、3人しかいないと、真剣に聞いて、いつ質問されるかと思うじゃないですか?
だから、集団に紛れられないんですよね。10万個に紛れるじゃないですか、1個が…。でも、「1個しかないと思ったら、誰に売りますか?」と思うんですよ。
「咲東さんこれ、1個しかもうありません、地球上に。1億人いて女性5000万人います。どなたに売りたいですか?」
もう、5000万人手挙げているんです。「あなたは誰に売りたいですか?」と言って、こっちからお客を選ぶぐらいの発想になってみて、で、工藤さんがおっしゃったように、一人ひとりにお届けしていくという気持ちが、結果的に10万個になったときに、たぶんそこにはものだけじゃなくて、お伝えしたいメッセージや知識や、何かノウハウも乗ってくると、その活動に共鳴される方々が集まって、それがまず一人出てとか、石を投げて広がる波紋のように広がっていく。そのスタートでちょっとビビっちゃったかな。
咲東:はい。ありがとうございます。
釣部:そんなふうに、話を聞いていて思いました。
咲東:はい。ありがとうございました。
工藤:まあ、大手と組むなとは言わないけど、依存心があったらその時点で負けだよね。売ってもらおうって気持ちがあるうちは。ね? 「売らせてください!」と言ってきて、「そこまでおっしゃるんだったら考えないこともないけど、うーん。でも、やっぱりやめた!」ぐらいのことを、こっちが言えないと、売ってもらえたらいいな、気持ちは分かるんだけども、それって依存だよね。
依存心がある人を応援する人っていうのはあまりいないので。それは断ち切ったほうがいいよね。自分でやる覚悟を決めた人のところに、あとから応援者が現れる。
咲東:はい。
工藤:だから、あまり提携とかは、先の話で良いと思う。
咲東:はい。お誘いがあってもお断りして、自分の思いを貫くという。
工藤:自分の思いを集約できないんであれば、それは私のやりたい仕事ではないので、ご縁がなかったということでと。あなたの要望どおり全部動いてくれるんだったら、断るのバカだよね。
咲東:はい。
工藤:そこまで言うんだったら、どうぞやってくださいと。ただ、ああせい、こうせいと指示命令してくるわけじゃん。結局資本の力に。それはやりたいものと違ってきちゃったら、その時点で「いや、それはやりたいことではないです」と言わないと。ね?
咲東:はい。
釣部:ゼロワンではなくて、まずお話し聞くのが良いと思うんですよね。
咲東:はい。
釣部:あと、自分はこうしたいというのも、ちゃんと文字にしてつくっておいたらいいと…。坂本さんっているじゃないですか。
工藤:はいはい。
釣部:彼が言うのは、撤退ラインを決めておけと言うんです。
咲東:撤退ラインを?
釣部:始める前に、どこまでやったら自分はもう撤退するかと決めておきなさいとまで言うんです。今でいうと、どこまでなら譲歩して良いか。
組むにしてもこのラインまでは譲歩しても良いけど、これ以上はできませんと決めておけば、交渉して聞いて、それが出た時点で「あ、すいません。うちはこれ以上の条件やってないんで、辞退させていただきます」と言って終われば。先にそれがあると、すごい楽ですよね。
咲東:なるほど…。
釣部:出版社でそれ、決めているので…。うちはこの条件以外やりません。乗ってくれたらやりますといって、「売ってくんない?」とかって、著者の方に言われても、「だって、出すときに僕言いましたよね? これが条件ですって言って乗りましたよね?」「確かに言ったけど」とか言って、「じゃあ、それだけです。はい」と言って終わりにすると、もう書いてあるから契約書にも。
自分で決めて説明しているから、ブレないですよね。いっぱい売ろうと思うと、そこと提携して譲歩したほうがいいんでしょうけども。例えば、「〇〇書店が1000冊取るから増刷して!」と言われても、返本されたら赤字じゃないですか。
咲東:はい。
釣部:「じゃあ、買取りなら良いですよ」って。書店は大きな数の買取りなんか絶対しませんから…。売り切る責任向こうにあるから。要するに自分はリスクなく儲けだけほしくて、リスクはこっちにという。
「それはないですよ、一緒に売ってくれるなら。この本好きですか? どこですか? 好きなのは」と聞いちゃいますもん。「一緒に人類に残してください。日本人に届けてください」と言って売ると、なんか楽ですよ。ただ、儲かんないかもしれないですけど…。でも、そのほうが魂が喜ぶので…。
咲東:はい。
釣部:だから、僕もちょっと儲けるためにね、あんまり好きじゃない方と組んだり、条件のんだりしたときに、やはりフラフラになりますもんね。この電話も出たくないとかね。だったらもう、薄利でも良いから魂の喜ぶ仕事やっていて…。
あと、僕はどこかで当たると信じているので。神様がいるなら僕を捨てないだろうと思って。捨てられたら、はい、次いきますというだけの話と、僕は割り切っているので、そういうのをつくられたら、たぶん良いですよね。
工藤:面白いと思いますよ。
咲東:先にそうですね。条件を決める。はい。
釣部:もう、率とかは決まっているんですよね? たぶん。
咲東:はい。
釣部:いくらで売ってほしいとか。割引しちゃだめだとか。
咲東:はい。
釣部:グッズもあるんですか? チラシはこれをとか。
咲東:チラシとかは、絶対作ってほしいというご要望あるんですけど、それはお断りさせていただいて…。
釣部:作らない?
咲東:はい。作らないです。
釣部:ご自身で作ってください、作るなら。
咲東:はい。その宣伝のためにお金をかけることで、そのためにまた商品に対して曇りが出るのであれば、そういう売り方はしたくないということをお伝えさせていただいているのですが。
釣部:商品には絶対の自信をお持ちなんですよね?
咲東:持っています。はい。
釣部:この商品を愛してくださる方じゃないと、売ってほしくないし、使っていただきたくない。
咲東:はい。そうなんです。
釣部:前、ニュースでCDか何かを、路上で売っている方のを買って、その場で踏んだといって、「買ったんだから俺のもんだ!」と言って、ユーチューブに流して、そうしたら理由が、許可をもらわずに歌っていたからといって、「俺のものを何で踏んで悪いんだ」といって、それで論争になっていたんですよ。
いくら何でもひどいみたいな。所有権でいえば、それは買ったんだから良いけど、CDであれば聴いてほしくて売っているわけですから、きちんと聴いてあげる方だけに買ってほしいけど、でも、お金が欲しけりゃ売っちゃいますよね。でも、魂踏まれるというか。
工藤:そうですね。
咲東:そうですね。
釣部:だって例えばね、「咲東さんの化粧品100個買いますよ」と言って、僕が買って並べて、「だめな化粧品です」とバーンと出すなら、嫌じゃないですか。あと、「だめこれ!」と上げられても、「なら、あんたに売りたくないわよ!」という。
咲東:…なります。
釣部:そういう魂と。あと、それに体のことは付いているんですか? それは別な事業としてやっていくんですか?
咲東:そこの化粧品にチケットを付けようかなと考えてまして、化粧品を買ってくださった方に、口座を無料で聞けるという、そういうシステムにしたいなと。一番はお伝えしたいので。お伝えした上で、だからこの化粧品がというつながりにしたいのです。
釣部:じゃあ要はフロント商品みたいな扱いになるんですかね?
咲東:はい。
釣部:ビジネスとしては。
咲東:はい。お伝えすることが優先で、だから、それだったらその化粧品山ほどあるけれども、良いとは言われているけど、その中にはそうでないものもたくさんあるので、それだったら絶対安心・安全の、ゼロから携わっているので、これ使ってみてくださいと、そういう位置づけの化粧品なんです。
釣部:それは、例えば、今日聞いた方は興味持ったらどうやったら購入できるんですか?
咲東:ホームページから。
釣部:何ていうホームページがあるんですか? もうあるんですか? ホームページは。
咲東:はい。
釣部:何て検索したら出てくるんですか?
咲東:ポリアフですね。
咲東:はい。
釣部:どなたかもし検索出来たら、今コメント欄にそのホームページを張っていただきたいので、できる方いたらお願いします(https://poliafu.jp/)。で、ネットショップで買えるということですよね。
咲東:はい。あとは、サロンさんにちゃんと思いが伝わっているサロンさんで購入できます。
釣部:それはどこのサロンさんかは、ホームページにはあるんですか?
咲東:今作成中です。
釣部:作成中ですね。じゃあ、徐々にということですね。
咲東:はい。
釣部:本当に工藤さんの発想ですけど、10万個もあれば、10万人に伝えられますよねということは、初めからそのキャパを想定したということですよね?
工藤:でしょうね。
咲東:すごいですね。ちょっと曇ってたんですが、一気に10万人に思いが伝えられると思うと、すごいワクワクしてきました。
釣部:今日でも会場に3人ぐらいいますからね、3個ぐらい売れるかもしれないですよ。分からないですけど。
咲東:はい。よろしくお願いします。
釣部:工藤さん何かまたさらにアドバイスありますかね?
工藤:なんか釣部さんにほとんど言われた感じがして。言おうと思ったこと言われたとか思って聞いてたんだけど…。
でも、心とパフォーマンスってちゃんとリンクしちゃうので、心が曇らないように工夫した方がいいよね。いつもワクワクウキウキした心で取り組んだほうが、成果は出やすい。嫌々ながらやって、だってこう考えたらわかるよね。売らなきゃ売らなきゃという曇った心で販売したものを、手に取った消費者がハッピーかなと考えればいい。
「もう、これ使っちゃって、健康にも良いし、体ますますきれいになっちゃうし、もっとほんとに使っちゃって!」という思いで届けられたものだったら、喜んで使うでしょ?
咲東:はい。
喜んで働く、テイク2は有効!
工藤:売らなきゃと思ったものを手にした人は、それ使って幸せかなと考える。これ、何でもそうなんですけどね、例えば、飲食店でね、結局喜んで働くって僕らが勉強しているようなね、喜働(きどう)とね。
喜んで働くということの大事さなんですよ。飲食店の店員がね、お客さまに食事を運ぶときにね、「たくもう、こんなめんどくせえ仕事やめてえよ!」とか思いながら運ばれてきたご飯、おいしく食べられますか? という話。
「うちのシェフがね、心込めて作っちゃった料理なんです。どうぞおいしく召し上がってちょうだい!」という感じで持ってこられると、それだけでおいしくなっちゃうじゃない。
咲東:はい。
工藤:これ、商品にしても製品にしても、全部そうだよね。うちは音楽の仕事やっているので、演奏家たちが演奏するね、「早くステージ終わんないかな。あと1曲で終わりだ」と思っている演奏なんて、聴いてお客さんハッピーになれるかって、なれないよね。
「もう人生で最高のパフォーマンス、今やっちゃうよ! みんな聴いてくれ!」という思いで演奏した音楽って、やはり感動するよね。だから、心を曇らせない。ワクワクウキウキした心で取り組むというのは、絶対忘れちゃいけないよね。
咲東:最初そのつもりでいたつもりなんですけど…。
工藤:在庫の山見たら?
咲東:在庫の山見たのが昨日だったんです。
釣部:じゃあ、見た瞬間にわーっやりたくない?
咲東:やりたくないというか。
釣部:どうしようですか?
工藤:やっちまったな。
咲東:やっちまったなと思いました。はい。
釣部:やっちまったと。
咲東:金額も提示されて、そんな大きい会社でもないので、本当にやっちまったなと思ってしまって、最初本当にワクワクして、周りの仲間も知っていたんですね。それだけちゃんとワクワクしてやっていたつもりなのに、昨日一日、本当に自分でやっちまったなと、曇った自分がいて、どんよりしてたんです。
また、今日工藤先生のお話し伺って戻りました。大事なこと思い出しました。
釣部:良かったです。じゃあ、毎月来ていただければ、曇りを確認して。
咲東:はい。
釣部:曇れば出て。
咲東:曇ったら、またお願いします。
釣部:明るければ、皆さんに明るさを伝えるということでね。
工藤:もう一回在庫を見にいってみたら? それで、「わーいっぱい! こんなに多くのものがあって、こんなに多くの人に伝えられるんだ、私!」と、もう一回やり直して来たらいいじゃん。
咲東:はい。
釣部:写真でも撮っちゃって。
咲東:はい。今日、夜やり直します。
工藤:僕、よくやり直すんですよ。ほら、要らんこといっちゃったり、もめちゃったりするときあるじゃない。「ごめん。ここに登場するところから、もう一回やり直して良い?」みたいなこと、ふざけて言うんです。「はい。工藤テイクツー入ります」とかよくやるの。
釣部:はい。
工藤:普通の生活の中でだよ。
咲東:はい。
工藤:やり直すんですよ、よく。都合が良いっていったら、本当に都合が良いんだけど、なかったことにする。やっちまったことを。やり直しがきくことについてはね。
釣部:これ、テイク2できますもんね。
咲東:はい。
工藤:部屋に入ってきたところからやり直させてもらうね、「もう一回ごめんね」とか言って、付き合わされるほうも大変だけどね。でも、それやったらいいじゃん、テイク2。
咲東:テイク2ー。はい。
釣部:今回初めて在庫を見るところから。
工藤:そう。さっきのはNGなんだよ。
咲東:NGで。なかったことに、はい。
工藤:次が本番。
咲東:本番で。はい。
釣部:じゃあ、これで10万個が見事に女性のもとに届くという確信を得て、この第三話を終わりたいと思います。工藤さん、咲東さん、ギャラリーの皆さん、どうもありがとうございました。
工藤:ありがとうございました。
咲東:ありがとうございました。
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