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万人の知恵CHANNEL【第7回】墓参りは 誰のために? 〜親祖先から受け継いだ個性(たち)を活かす〜

インタビュアー:万代宝書房代表 釣部 人裕氏
ゲスト:アーティスティックコミュニティ代表 工藤 直彦氏

収録:2019年8月15日

釣部:はい。こんばんは。万代宝書房、万人の知恵CHANNELのお時間になりました。今晩もよろしくお願いいたします。今日は、メインゲストに工藤直彦さんをお招きしております。よろしくお願いいたします。

工藤:はい。よろしくお願いします。

釣部:あとは、会場にたくさんの方に来ていただいています。よろしくお願いします。ではまず、工藤さんの方から、ちょっと自己紹介をお願いいたします。

工藤:音楽事務所をやりながら、哲学の塾とかやっております。

釣部:はい。ありがとうございます。まあ今日はね、お盆の収録っていうことで、ちょっとお盆らしい議題にと思うのですが、お盆といえば、墓参りというのがありますよね。実は僕、4月に結婚しまして、初めて奥さんの方の実家のお父さまのお墓に、墓参りに2日前に行ってきたのですけど、お父さまは、実はね、もう一個本家のお墓があるんですが…。ご自身で・・・。

工藤:・・・そこには、入らずに?

釣部:入らずに、一個作られて、で、お母さま、まあ妻ですよね、と自分以降の人が入るっていうので、ただ平塚の方なのですけども、海が見える、本当に海岸の側で、お友達と一緒に作ったっていうことで、お友達(の墓)が横なんですよ。

それで、初めて、「初めまして。あの、釣部です、よろしくお願いします」と言ったのですけど。実は、実家に仏壇があって、そこにも、遺影じゃないですけど、あるんです(写真が)。(今更)何をやっているのだろうと思いながら…。でも、なんか「ご挨拶できた」という気持ちに僕はなったのですよ。それで、歌であるじゃないですか。「私は、ここにはいません」みたいな。

工藤:「千の風になって」。

釣部:「千の風になって」。でも、お墓参りって何かが変わるじゃないですか?その辺って倫理的(倫理法人会の純粋倫理的に)にというか、工藤さん的には、お墓参りって何なのですかね?ちょっと抽象的ですけど。

工藤:そうですね。何なのでしょうね。まあ、私も死んでみなきゃわからないですけどね…。ただ、多分本当に、あの歌の通りでね、そこには(亡くなった人は)いないので、今生きている人が、心を整えられる場所でいいのじゃないのかなと思うのですけどね。

釣部:整えるというのは、ちょっと。

工藤:だって、お墓に手を合わす時に、後ろ暗いこととか、卑怯なことって考えられないでしょ?

釣部:まあ、そうですね。

工藤:でしょ。ね? なんか人が見ている、見ていない、関係なくて、自分の襟を正せられるので、そういったことじゃないかなと思うのですよね。

お墓参りのイメージ

家(Home)と
先祖から繋がっているもの

釣部:あと、お願いしてはいけないとかと聞くのです。

工藤:そういう話しも聞きますけどね。

釣部:感謝を伝える場だとか。でも、そこにお骨がない場合も、ある場合もあるのですけど。要は、本人のためじゃなくて、残った家族、親族のために、年に一度なり二度なり、心を整える場所として…。

工藤拠り所でしょうね。

釣部:拠り所?

工藤一家一門の拠り所でしょうね。何々家の墓って書いてあるじゃないですか。たまに、何の誰兵衛と実名が書いてある墓もあるけど、基本的に何々家の墓って書いてあるでしょ。だから、その家の拠り所ですよね。その一家の集まりというか、その家族というグループの心の拠り所なんじゃないですか。

釣部「家」って、良い意味でも悪い意味でも、マイナスの要素を言われる場合もあるし、良いこともありますよね。工藤さんのおっしゃる、この「家」というのは、どういうニュアンスですか?

工藤:ハウスとホームって違うじゃないですか。

釣部:ハウスとホームね。はい。

工藤:昨今の現代日本人って、おそらくハウス的なものに想いがあるのかなと…。例えば、「頑張って仕事して家建てるぞ!」とかね。「これだけの家を建てたんだよ、俺は!」みたいなね。

何かそういったところにあると思うのだけれども、それってただの箱じゃないですか。それで、ホームになると家族とか、一族とか、子孫とか、ご先祖さまとか、そういったことも考えられるようになるでしょ。だから、そのホームっていうものを考えられないと、なんか僕は、人として真っ当に生きられないような気がしますけどね。

釣部:なかには、「親が嫌い」という方とか、逆に「親に縛られている」もしくは、「一族に縛られている」という、ある意味マイナスな思い方と、「だから、余計なことしなかった」というケースもありますよね。「家」、ホームとか一族って、何なのでしょうという聞き方も、また抽象的なのですけれども、よく工藤さんがね、「先祖の個性(タチ)※1をわかって生きなさい」と説かれます、その辺をちょっとご説明いただけますか?

工藤:親の遺伝子が、自分の中にある訳じゃない。自分の身体って、命って父親と母親から半分ずつもらっているでしょ。だから、父親の個性(タチ)※1、母親の個性(タチ)※1というのは、自分の中にある訳ですよね。

それを使わないと、多分幸せになれないなと思っていて…。例えば、釣部さん、スポーツ得意じゃないですか。私も運動部出身、体育会出身なのですけどね。例えば、親が両方とも日体大卒業。そうしたらね、子どもは、多分努力とかしなくても、子どもの頃、運動会でヒーローですよ。そうだと思いますよ。

で、親が、ものすごく勉強できる人だったら、まあ、ちょこちょこっとテスト前に、おさらいするだけで、人並み以上の点を、絶対取れると思うね。

だから、こういったのが、持って生まれた個性(タチ)※1だと思うのね。それを、生かさないと、なかなか自己実現もできないのじゃないかなと。違う生き方を選ぶ人っているじゃないですか。苦労することが多いよね。

例えば、私なのですけれど、私、音楽事務所やっているのですけども、あと、体育会も出身なのですけれども、うちの一族にスポーツマンも音楽家もいないのですよ。だから、結構努力しているんだけど、人並み、もしくは、人並み以下ですよ。

だから、そこのところですよね。例えば、私は、哲学の勉強会とか、よく開催していますけれども、もちろん哲学は好きだし、勉強もしているのだけど、でも、ちょこちょこちょこっと見ただけで、頭の中で全部繋がる訳ですよ。

それで、同じセリフを言っても、「僕が言うと伝わる」と言われるのですよ。「何かな?」と考えると、これがうちの一族の血なのですよ。うちは、学究肌の家系なので、スポーツとか音楽は全然ですけれども、哲学とか法律とか、そういったことに関しては、非常に長けている一族なので、そんなに努力しなくても、人並み程度にパラパラっと目を通すだけで、人並み以上になれるという…。

これは、個性(タチ)※1以外の何者でもないですよね。だから、そこの個性(タチ)※1のないところで頑張るというのは、結構、実を言うと、切なくて…。好きでやるのだったら、趣味だったらいいのだけれども、職業とかね、それで身を立てていこうとか、それで世間の役に立っていこうとなると、なかなか難しいと思いますよね。

だから、お墓に行って手を合わせた時に、あんまりオカルトチックな話をするのは、好きじゃないけれども、何となくお墓の中に眠っている両親とか、ご先祖の顔が浮かぶことってあるじゃないですか。顔が浮かぶというと変だけど、思い出すことあるじゃないですか。

そうしたら、「親父こういう人だったよなあ」とか思うことあるじゃないですか。「そういう人だったんですよ。」それは、自分もそうなのですよね。だから、「自分を自覚できる場所」でもありますよね。

自分が何も知らなかった事も
お墓には記されている?

釣部:昔は、わからなかったことですけど、工藤さんにもお世話になって…。親とね、母親との確執があって、和解して、札幌に行って墓参りして…。一年目は思わなかったのですけど、二年目に墓を洗って、お掃除して、裏を見た時に知らない名前があるのですよね。

工藤:はい、はい、はい。ありますね。

釣部:これは、おばあちゃん、おじいちゃん。でも、知らない名前ある時に、前は、知らない人(で済ませていた)。「あれ?俺知らない」と思って、家に帰って母に「何々さんっていたけど、誰なの?どういう人?」と聞いたら、知っている範囲で話してくれた時に、なんかね、変わったのですよ。

工藤:そうですよね。わかりますよ。

釣部:何が変わったかというと、わからないのですけれども、何か先祖と繋がったって言うのでしょうかね。でも、その方ってお亡くなりになって、お子さんがいなかったり、父の従兄弟だったり、要は、(子孫が)いないからうちの墓に入っているのですよね。釣部家の墓に。

うちは、父が作った墓ですから…。時に何か、死んだらみんな忘れるけど、こうやって僕が「誰?」と言ったことで、例えば、釣部シノブさんって方がいらっしゃるのですけれども、二十何歳でお亡くなりになっていて。「何で死んだの?」って聞くと、「これはね、お父さんのお姉さんなんだよ」とか、「病気でね」とか…。当時は、肺結核とかでお亡くなりになりますよね。「ああ、そうだったんだ」と、なんか思うのですよね。

工藤:わかります、わかります、わかります。

釣部:それだけのことですけども。それってでも、弔いと言う?

工藤:弔いかな? 私よく、色々な「アドバイスください」とか、「相談に乗ってください」とあった時にね、何かブレイクできていない人って、結構世の中多いじゃないですか、何か辛い生き方なさっている方に会うと、時々ね、「家系図とか作ってごらんになられたらどうですか?」と言うことがあるのですよ。

家系図。そうすると、当然まだ見ぬご先祖さまを知る訳ですよね。「こんな人いたんだ」と、まさに今、釣部さんがおっしゃったような、「こんな人がいるんだ」ということを知ることができるので、そうすると、自分の命というのが、色々なところから、脈々と受け継がれてきたものだという自覚が出てくるでしょ。

だから、当然粗末にする気持ちにはならないし、きちんと生きなきゃ申し訳ないなという気持ちにはなると思うのね。そういったようなことで、知らない人というのを自覚するって大事で。

実はね、私の父親が継いでいて、でもほとんど無縁仏状態になっているお墓が、弘前にあるのですよ。たまたま講演で、弘前に行く機会があったので、探し当ててお参りができたのです。そうしたらね、約50年ぶり、「(お参りに)来たのは50年ぶりですね」と言われて、その案内されたお墓に行ってみたら、大正元年にできている。

だから、もう100年以上前ですよね。でも、「ここは永代供養のものにはなっているので、何代にも渡ってお寺で守りますから、ご安心ください」ということだったのだけれども。当然、全部知らない人ですよ。

実は、私の曽祖父、曾祖母が、工藤家同士の結婚だったのですね。血は繋がっていないのだけれども、青森、弘前市の方って工藤姓がものすごく多いので、全国的にいる、鈴木さん、佐藤さん、高橋さんぐらい。

だから、工藤家同士の結婚だったのだけれども、その、曾祖母側の実家が、継ぐ人がいなくなって、結局途絶えて、私の父が次男坊だったので、じゃあ、お墓を継ごうということになって、それで、父ももう他界しているので、こんな機会がない限り、お墓参りは絶対できないなと思って、出張のついでにね、探し当てて行ってきたのですね。

ちょっと感動しましたね、やっぱりね。もう、石も風化していて、刻まれている名前なんかも、もう、ちょっと見えにくい状態なのですよ。そういうのを全部書き取ってきて。

そうすると、そこに戒名が書いてあるじゃないですか。戒名って意味がわからないのだけれども、漢字を使っているでしょ。その漢字で、その故人がどういうキャラだったか、推測するじゃないですか。その人の個性に合ったような戒名を付けているはずなので。

「誠」って字があったり、天下泰平の「泰」っていう字があったりね、ああ、こういう人だったのかなあというのを推測する訳ですよ。そうすると、多分その人柄というのは、僕の中にも流れていて。ね?

「誠」っていう字を見た時に、ああ、ちゃんと誠実に生きなきゃなと。ご先祖さまの血が、僕の中にも流れている訳だから、泰然として生きなきゃなとか、何かそういうことを思う訳ですよ、そんなところに。

墓と卒塔婆に書かれた戒名

こういうことを思える人と、「そんなの関係ねえよ!」と言っている人で、やっぱり生き方が変わってくるのは当然ですよね。「どちらが良い生き方ですか?」と言ったら、多分答えは一つだと思う。ね? そういった意味では、お墓参りというのは、価値があるし、自分の命の元を探るというのもすごく大事ですよね。

釣部:よく倫理(法人会)では、「墓参りに行きましょう」という言葉もありますよね。じゃあ、行っても何もなかったという方と、行ったらすぐ何かがあったという方と、あと、家に仏壇がある方と、ないけど、毎日手を合わせる方と、というと…。要は、お墓の前に行くという行為よりも、その心。

工藤:そうそうそう。行こうと思うその心が、何かを変えていくのだと思いますよ。

釣部:先祖さまのこと、わかりやすくいうと親、祖父のことを思うということですよね。最近、散骨とかあるじゃないですか。要は、あれは、ご本人が望みますよね、ご家族としては、拝むとこがない訳ですよね、お骨としては。

工藤:まあ、そうですね、はい。

釣部:でも、関係ないということですよね。

工藤:まあ、散骨に関しては、お墓を守っていくっていうのは、なかなかこの世知辛い世の中で大変ですから、子どもたちに迷惑をかけたくないし、子孫に迷惑をかけたくないって想いが多いと思うのですよ。

本当に海がお好きだった方は、「海に撒いてくれ」というのは、わかるのですけれどもね。でもね、海の男ってそんなにいる訳でもなくって、だから、散骨というのは、やっぱりお墓を守るのが大変でしょうと。そういう迷惑は、子ども、孫たちには掛けたくないという想いで、やっている方が多いと思うので、だから、そういう想いを大事になさるということが、大切なんじゃないですかね。

釣部故人の想いということですよね。

工藤:だから、手を合わせるということは、何か宗教的な、儀式的なことになるのだけど、正直私も色々なことを教えて回っていますけど、墓参りの作法ってよく知らないのですよ。さすがにお墓の前で柏手を打つようなことはしないですよ。だけど、作法はわからないのですよ。どういうお参りの仕方が正しいのか、全然わからないし。でも、やっぱりおろそかにはできないなという気持ちもあるしって。

釣部:ちょっと個人的なお話になるのですけれど、13日かな、NHKドキュメンタリー(のTV番組)で「一木支隊」という。

工藤:ん?

釣部:「一木支隊」という、ガダルカナルの玉砕した大佐のドキュメンタリーがあって、要は陸軍と海軍の仲が悪くてという、現地よりも本部というか、大本営の話…。なので「見捨てられた」という話で、酷い大佐と言われたけど、実はそんなことないんだよという番組だったのですけど、それを観て、色々思うことはあったのです。

それを観ながら、ある生き残りの方が、インタビューを受けていて、「どう思いますか?」と聞かれたら、喋られなかったのですよ。もう泣いて、グワーッとなって、そこで終わっているのですけど。(ガダルカナルに出兵した)うちの父は同じ生き残りなので、多分生きていれば知っていますし、彼に聞けば、釣部って言えば、わかっていると思うのですよね。で、父は(私に戦争を)語ってくれた。父が残した言葉が、「俺の骨を戦友の元にまいてくれ」なんですよね。

工藤:なるほど。

釣部:何かわからないけど、わかった気がしたのですよね。

工藤:そこでお亡くなりになったお友達がいるということですよね。

釣部:戦友。戦友ですよね。だって、九百人いて、七百七十何名死んでいるのだから、本当に一次攻撃から四次攻撃まで、玉砕ですから、要は全滅した部隊の生き残りで、その時、彼は、何も言えなかった。親父は、「俺の骨を撒いてくれ」と言った。そして、戦争の悲惨さを喋った。話してくれた、僕に。

でも、僕にしか話していないという部分で、何で「散骨してくれ」と言ったのかなというのが、今回、散骨して色々なことが、すごく繋がりましたけれども、番組を見てあらためて、「僕の墓参りって何かな?」と思った時に、親父の骨を一木支隊、戦友の元に連れて行って、僕は、本当に「一木支隊の皆さま、ただいま、釣部ジロウをお連れしました」と言って、散骨して、お線香をあげて、サッポロビール出した時に、なんか一つ、子どもとしての役割が終わったなと思ったのですよね。

太平洋諸島に残る戦車の残骸

工藤:なるほどね。

釣部:でも、親父は、帰ってきたから僕が生まれたけど、帰って来なかった方々の骨、今も眠っているじゃないですか。時に「命ってすごいな」とあらためて僕、思ったのですよね。

で、今回お盆ですから、墓参りをするけど、何か年に一回、想う時なのかなと思って。やっぱり生きている人のためにあるのが…。

工藤:と思いますね。だって、死んでみなきゃわからないですからね。やっぱり生きている人の問題だと思いますよね。

釣部:あとじゃあ、それをどう受け取るかは、ご本人次第という…。工藤さんが、たまにおっしゃるのは、「自分の墓もあるけど、パートナーの先祖の墓にも行ってお詫びじゃないですけど、いただきますというか、結婚しますということを、ちゃんとお伝えしなさい」と言いますよね。

工藤:それは、大事ですね。

釣部:それは、どういう意味があるのですか?

工藤:やっぱり古い考え方かもしれないけど、結婚って家と家との結びつきという側面は、絶対あるので、いくら時代が変わっても、それは、否定しきれることではないでしょう。

違う考えの方も一杯いるけれども、でも、家と家との結びつきで、例えば、自分が親の立場であれば、「子どもがどんな連れ合いと一緒に生きていくのかな?」という気になるところじゃないですか。それが、とんちんかんな野郎だったら、それは、心穏やかじゃないですよね。「あんな奴のところに嫁行って大丈夫かお前はっ!」となるじゃないですか。

だから、ご両親がお亡くなりになられているのであれば、きちんとご挨拶をするというのは、大事だと思いますけれどもね。

釣部:物理的には関係ない話だけど、なんか先祖的に、心の中では関係がある話なのですよね。これを「説明しろ」と言われても、多分説明できない、目に見えない、倫理(倫理法人会)で言えば、「全一統体」※2と言うところの世界。目に見えない世界を大事にできる人か、できない人か、そして、(一人ひとりは)個ではあるけれども、一族、家という。悪い意味じゃなくてね。

それを、ちゃんと受けて自分が今、命を張っているというと変ですけど、命を全うして、パートナーも命を全うして、力を合わせて何をやっていくかということに対して、真摯に向き合う日。それが、お盆であり、お墓の前では、真摯に嘘つけないよねと。

工藤手を合わせる場所で嘘をつくことは、無理ですよね。生きている人間に対しては、嘘をつけるかもしれないけれど、神仏に対しては、嘘ってつけないので。

釣部:それって日本人に流れているDNAですかね。

工藤:でも、埋葬するというのは、国が違っても文化が違っても、埋葬の仕方は違うじゃないですか。川に流す国もあれば、土に埋める国もあれば、鳥に食べさせる国もあるでしょ。違いはあるけれども、埋葬するというのは、多分人類ぐらいしかない。他の動物であるのですかね?埋葬するって。ねえ?

仲間を埋葬するというのは、多分そういうのって人類にしかないと思う。だから、霊長類と言うじゃないですか。霊長って「霊」の「長(おさ)」と書くでしょ。会長とか社長とか村長とかね、「長」っていうのは、そのトップという意味ですよね。だから、霊を、魂みたいものを持っているもののトップが霊長類でしょう。

だから、その霊長類である人類が、唯一する、他の禽獣のごときものは埋葬しない。そこの違いじゃないですかね。だから、日本人だけが持っている訳ではないとは思いますけれどもね。死者を弔うとか、そういったものを感じる力というのは、人類にしかないのではないですかね。

釣部:AIにはない。

工藤:まあ、プログラミングすりゃいいのでしょうけどね。

釣部:先祖を想うとかね、あるのでしょうかね。わからないですけど。お盆ですからね、年に一回、自分の先祖、自分の個性(タチ)※1、先祖からどんな、個性(タチ)※1というのもね、(こせい)と書きますけれど、この今の世の中、何を自分が受け継いでするかというのを、そこに想いを馳せるというようなお盆になればいいかなということですね。それに良い悪いはないですものね。はい。わかりました。ちょっとしんみりしてしまいましたが、じゃあ、一本目、これで終わりたいと思います。どうもありがとうございました。

工藤:どうもありがとうございました。

【用語解説】
※1 個性(タチ)=親、先祖、一族から引き継いできた特性や性質。
※2全一統体(ぜんいつとうたい)=顕界(目に見える世界)で個別にあらわれている事象は、全体のほんの一部分、自分が見えていない次元では一つに統合された潜在的な世界の力が作用していること。

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